既婚者の文字が粉々に砕け散った瞬間

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私たちは一旦離れると、今のキスが現実の出来事だったと再確認するかのように、闇を透かして互いに顔を見交わしました。

黒いドレスをまとったAの顔が闇のなかにぼうっと浮かんでみえます。画家の宿命か私は、頭の中でその顔をスケッチしだしました。

彼女がこちらに迫ってきて、その胸が私の胸板にやわらかくおしつけられました。

私は彼女をだ抱きよせるとふたたび今度はもっと激しく唇と唇を重ねあいました。

そのとき庭の外のどこかで、かすかな物音がしました。

私たちはここが庭先だということを思い出すと、すぐにアトリエの中にもどりました。

そして長椅子の上を片付け、黒いソファの上に横たわると、テレピン油の匂いにとりかこまれながら、二人は男女の関係になったのでした。

ソファの上で私は目をさましました。窓の外はすでに明らんでいます。時計は8時をさしていました。

窮屈な姿勢を長く続けたせいか、体の節々が痛みました。

Aはどこへいったのか、アトリエ内にその姿はみあたりません。

ここには隣に小さな部屋が設けられていて、あるいはそこにいるのかもしれませんでした。

私はソファに足を投げ出して座りなおすと、昨夜の出来事をふりかえろうとしました。

しかし、目覚めたばかりの頭によみがえるものといえば、髪をふりみだした彼女の顔や、激しく躍動するその白々とした肌の輝きなどの断片的な光景だけでした。

Aには夫がおり私には妻がいます。

その関係がガラスのように粉砕され飛び散ったかけらのひとつひとつにそれらの光景が鏡のようにうつしだされるのを私は想像の中で思い描きました。

ヨガ教室で知り合った女性たちは、心も体もしなやかでした

yoga

女性との出会いを求めるにはやはり、女性がたくさん集まる場所に出かけるに限ると思った僕は、いろいろ探したあげく、思い切ってヨガ教室に入会することにしまた。
教室には女性が八割、あとはメタボ予防のためにきている中高年男性という編成でした。

実はヨガには以前から関心があり、家にも何冊かの入門書があるぐらいで、
ヨガ教室に通うのは必ずしも思いつきばかりではなかったのです。
教室には十数人の生徒たちがビルの二階の教室で、日曜の午前から一時間半ヨガを練習するわけです。
幸いなことにここには、独身の女性が多くいて、僕の周囲でも若い女性たちが引き締まった体をそりかえらせたり、丸めたりしています。
僕が最初に声をかけたのは、まだ練習の効果が十分あらわれてないよくふとった女性で、とても優しい性格で不慣れな僕に色々助言してくれたのも彼女でした。

彼女はまた、練習が終わると仲のいい女性たちと近くのカフェによっておしゃべりをするので、いっしょにどうですかと誘ってくれました。

願ってもないことに、僕はよろこんで
彼女についてカフェに行きました。

独身者ばかりかと思ってたら、年配の女性や男性もまじっていましたが、もちろん独身の女性たちもいて、僕は彼女たちとも言葉を交わすことができました。心身ともにリラックスするヨガを続けている彼女たちはみな、体だけでなく精神も同様軟らかくしなやかで、いっしょにいてとても気持がおちつきました。

一番親しくなったのはあの、ふとめの彼女で、いまではメールをやりとりする間柄になりました。まだまだ先はどうなるかわかりませんが、婚活最初の一歩としては、まずまずのスタートではないでしょうか。